頭がよく見える、要約力

この本では「要約」という語を、長い文章をキーセンテンスを押さえて100字とか200字とかの制限字数内にまとめる、という普通の意味にとどまらず、もっとずっと広い意味でとらえている。
たとえば、サッカーなどのスポーツで状況を把握してプレーに生かすことも要約、「〇〇とは、…」と定義することも要約、説明のためのイラストも要約、自分自身のプロフィールも、商品の宣伝文句も要約、俳句も短歌も要約、ということになる。
つまり、物事の核心を的確につかみ、簡潔に表現したものはすべて要約だ。だから、コミュニケーションにおいて重要な能力である要約力を、大いに鍛えましょう、ということになる。そしてそのための方法がいろいろ紹介されている。
ところで、この本のタイトル『頭がよくなる! 要約力』はこの本の内容の要約として適切だろうか? 要約力をつければ脳の働きがよくなりますよ、という話ではなく、要約力のある人は、頭のよい人、仕事のデキる人に見えますよ、ということなので、このタイトルにはやや違和感あり。