現代アートの考え方

現代アートの本をまた買ってしまった。

これは現代アートの「考え方」を教えてくれる本。

そう、現代アートは考えて楽しむ。

ゴッホのひまわりの絵だったら、見れば良さがわかる。何か難しいことを考えるまでもなく、これいいな、好きだな、となる。

現代アートとなると、多くの場合は、そうはいかない。

たとえば筆者は、デュシャンの「泉」を子供でも分かると言っている。そうだろうか?そうならば、「レディメイド」だとか、「便器と泉という、本来は結びつかない二つの言葉を、一つの作品に当てはめてしまう二重性」などという説明は不要なはずだ。

この作品はどこにどういう意味が隠されているのだろう、これまでの芸術作品になかった新しさはどこにあるのだろう、この数字は何を意味しているのだろう、どういう見方をしたら笑えるのだろう……そんな疑問に答えが出せなかったら、現代アートはわからない、つまらない、で終わってしまう。わかるためには、わかるための考え方と知識が必要なのだ。だからこのような本がありがたいわけで…

さて、この本を読んで、「考える力」が少しでもついただろうか? 取り上げられている作品については、その見方を一応理解することができた。しかし、未知の作品に出会った時に、そこに込められた意図を、何かに頼らず自分なりに読み取ることができなければ、力がついたとは言えない。
どこかに力試しに行ってみるかな。

 

【考える手がかりとして覚えておきたい公式】

モダン=引き算 ポップ=足し算

世界には、目に見えるいろいろなものがあるが、そこから引き算をしていって、最後に残ったシンプルなもの、それだけを作品にするというのが、モダン、というものの考え方だ。


足し算によって生じる過剰なもの、賑やかなもの、装飾的なもの、そういうものを「削ぎ落とす」とことは正反対の特徴をもったアートがポップなのだ。