今になって、孤独のグルメ

半年くらい前、入った店がたまたま「孤独のグルメ」で取り上げた店だった、ということがあったけれど、その時はそんな番組のことは全く知らなかったし、テレビを見てみようという気持ちにもならなかった。ところがそれからしばらく後、何を見るでもなくつけっぱなしになっていたテレビ画面の、独特の空気感にひきつけられ、結局最後まで見てしまった、それが「孤独のグルメ」という番組だということを知ってから、ちょくちょく見るようになり、最近ではこの放送がない日は寂しいと思うまでになってしまった。そして、原作の漫画まで買ってしまったのだから、僕はもうすっかり「孤独のグルメ」にハマってしまったという状態なのである。
久住昌之原作、谷口ジロー作画、と言えば、そうだ、この組み合わせの漫画を以前に読んで、こんなことを書いている。
https://mf-fagott.hatenablog.com/entry/20130501
そうか、もともと僕はこういうのが好きだったんだな。「孤独のグルメ」にハマるのも、当然の流れだ。それにしても、漫画の連載が始まったのが1994年、テレビドラマの最初の放映が2012年だというから、出会うまでにずいぶん時間がかかったことになるなあ。
僕が買ったのは扶桑社文庫になっているやつ。字が小さいので、度の強い老眼鏡かハズキルーペ掛けないと読めない。それでも面白いものは面白い。

この作品はテレビも漫画も、主人公・井之頭五郎のモノローグが多いのだが、テレビで松重豊の台詞にさんざん親しんでしまっているので、漫画の台詞を読むときも頭の中ではすっかり松重豊の声と口調になってしまっている。「なんだか懐かしいみせだな…」とか、「ああ、白い飯がほしいなあ」とか、「岩のりは余分だったな…残すしかないか」とか。