あやまちすな

『新折々のうた1』所載の


 大方の誤りたるは斯くのごと教へけらしと恥ぢて思ほゆ    植松寿樹


について以前書いたが、『新折々のうた7』にはこんな歌があった。


 あやまちて教うることもありなむに吾を信ずる子らをおそるる  栗原克丸


教師ってのは、よく間違えるものなんだな、僕だけじゃないんだな、とちょっと安心してしまうけど、いやいや、自分を甘やかしてはいけない。「あやまちて」の歌は、作者が新任教師になった日の歌だそうだ。経験豊富な教師が間違えてばかりいてはいけません。
「鎌倉を驚かしたる余寒あり」を「…余寒かな」と黒板に書いたり、松浦寿樹(ひさき)を(としき)と読んだり、…はい、気をつけます。 

新折々のうた (7) (岩波新書 新赤版 (865))

新折々のうた (7) (岩波新書 新赤版 (865))

  • 作者:大岡 信
  • 発売日: 2003/11/20
  • メディア: 新書