窪島誠一郎の『絵をみるヒント』を読んだ。
「水商売出身の美術館屋」と自称する著者だからこそ書ける、絵画と美術館への愛。
群馬県桐生市の大川美術館と長野県東御市の梅野記念絵画館には、チャンスがあったら行ってみたいと思った。
何気なく一枚の絵の前に立ったとき、その絵のなかにひそんでいる画家の「記憶」に誘われ、いつのまにか絵をみるこちら側の「記憶」までがひきおこされてくる、そして、その「記憶」の蓄積の上に生きている現在の自分自身の姿がみえてくる、それが「絵をみる」、あるいは「絵を読む」ことなのだと気づかされるのです。