冬晴れの山頂にて

目的の山頂の避難小屋に2時前に着いてしまう。ここに重い荷物を置いて行けば、もうひとつ先の山頂まで足をのばしても、十分明るいうちに小屋に戻れる。でも、僕たちはここでのんびりすることを選ぶ。どんなに荷物が重くなっても、ザックの中に本を入れてくることは忘れない。陽が出ているうちは山頂のベンチに座って、陽が傾いて冷えてきたら小屋に入って焼酎のお湯割りでもちびちびやりながら本を読んでいれば、やがて腹も減ってくるだろう。ここまで背負い上げたビールのロング缶をプシュッと開けて乾杯するのは、それからだ。