「釣」か「吊」か

あけましておめでとうございます

昨年暮れに、長いこと気になっていた西丹沢から山中湖へ抜ける尾根道(東海道自然歩道)を職場の仲間と歩いてきました。このコースは途中で避難小屋に一泊しなければならず、なかなか訪れる機会が来なかったのですが、ようやく念願がかないました。
天気は快晴、菰釣山の避難小屋は我々三人だけの貸し切り。夜中に降った雪のおかげで二日目はふかふかの新雪で覆われた山頂に立って、朝日を拝み、朝日に輝く富士山を仰ぎ見ることができました。
(ところが不覚にも携帯のバッテリーを切らしてしまい、肝心な山頂の様子をお見せすることができないのがとても残念です。上の写真は一日目の城ケ尾山頂、下の写真は菰釣山へ向かう稜線の様子です。)

さて、道中、「こもつるし」は漢字で書くなら普通は「菰吊」ではないか、「菰釣」だったら「こもつり」と読むのではないか、という話題になりました。そこで、家に帰ってから、『角川日本地名大辞典14神奈川県』で山名の由来を調べたら、こんなことが書いてありました。(この本、せっかく大金?をつぎ込んで買ったのに、めったに開いたことがない。こういう時に活用しなきゃ。)

菰釣山というのは神奈川県側の呼称で、戦国期、武田信玄の小田原攻めの時、当山に菰をつるして進軍の信号旗や烽火の代用にしたことからつけられたといわれる。また天保12年、相模と甲斐との間で国境尾根の所有権争いが起き、平野村(甲州)の名主、長田勝之進が江戸幕府に告訴し、当山に菰をつるして生活したからだともいわれる。(中略)四季山上が雲霧に覆われがちなところから、雲吊《くもつるし》山という意味からきたという説もある。

なぜ「吊」ではなく「釣」の漢字をあてたかまではこれではわかりませんが、山名への理解が深まると、山への愛着もいっそう深まるように感じます。県内の他の山の項も読んでみたくなりました。(でもその前に、年賀状を書かなくちゃ。まだ一枚も出していない…)


■追記(1/20)
その後、同行のY氏が撮った写真をもらうことができたので、Y氏の許可を得て、ここに少し載せておきます。僕がケータイで撮った写真と大違い。とても画質がきれいです。やっぱりいいカメラが欲しいなあ。
初日に歩いた、丹沢湖から城ヶ尾峠へ向かう長い林道。車が入らない冬枯れの道は、とても気持ちがいい。

菰釣山頂上

菰釣山頂上より、朝焼けの富士。

山中湖へ向かう、甲相国境の尾根道。

富士岬平より、山中湖・富士山を望む