ファゴット吹きの独り言

今日の午前はオーケストラの練習。モーツァルトの管楽のためのセレナーデ(K375)の譜読みでした。難しい所も少々あるけれどなかなか楽しい曲。
家に帰る途中、先週朝日の夕刊の「◎今月の10枚…ポピュラー国内編」で紹介していたウクレレ栗コーダーというCDを探しに、新星堂に寄りました。

ウクレレ栗コーダー

ウクレレ栗コーダー

いったいこの種のCDはどこの棚に置いてあるのやら、重い楽器を持って店中をうろつき回ってしまいましたが、クラシックの新譜売り場でようやく「こちらの商品はお取り寄せになります」という札を見つけたのでした。やっぱりこの手の企画に食いついてしまうのはクラシック好きのおじさん達なのでしょうか。
そもそも僕はファゴットを始める前(…もう30年以上前のことですけど)、毎日のようにリコーダーを吹いていた時期がありました。ちょうど最近ウチの娘も小学校の音楽の時間にリコーダーを始めたようで、家でピーピー鳴らしているので、娘と一緒に聴くのもいいかなと思ってCD屋さんに寄ってみる気になったわけです。

ところで『考える人』の最新号の「戦後日本の『考える人』100人100冊」という特集では、今までに『考える人』とかかわった人たちが選んだ、戦後のいわゆる知識人というか、文筆家というか、とにかく本を残して逝った人たち100人と、その人の本が1冊ずつ並んでいます。
中には僕が初めて目にするような名前もちらほらとあります。
生田耕作
古波蔵保好
城西志保?
茂田井武
…いったい何をした人たちなんだろう? 本当の読者家なら知っているはずの名前なんだろうけど。 でも僕が愛読している(またはかつて愛読していた)人の名前も少なくありません。
内田百輭
島尾敏雄
辻まこと
深沢七郎
向田邦子
そして、串田孫一の名前もありました! 
串田孫一のことは今までに何回か書きましたが、この人の本を読んでいると、リコーダー演奏の楽しみについて触れた文章にときどき出会います。

ひと頃、私たち十人ほどのものは、リコーダーを携えてよく集まりました。いつも中心になっていてくれる友人がいましたので、楽譜を選び、パート譜をつくり、それを周囲から手伝うという形で今から思えばまことにうまく楽しんでいました。みんな少しでも多く時間をつくって、なるべく一緒に吹いていたいという気持ちがありました。(「家庭音楽」)

ああ、うらやましい。リコーダーは、ファゴットと比べて体力的には楽だし、手頃な楽譜もたくさん出ているし、何しろ僕の音楽の原点ですから、いつかまたリコーダーに戻るときが来るかもしれません。
でも、僕にはファゴットで吹きたい曲がまだまだたくさん残っているからなあ… モーツァルトのピアノ協奏曲17番とか、22番とか…

■追記
その後まもなく、このCDを手に入れて、車の中などで聴いています。聴いていると肩の力が抜ける感じです。