居心地の良い世界

百年文庫の「湖」は、次の三作品を収録。

フィッツジェラルド「冬の夢」
木々高太郎新月
小沼丹「白孔雀のいるホテル」

小沼丹が良かった。小沼丹井伏鱒二を師と仰いだが、小沼丹の魅力は井伏の魅力とは似ているところがあるようで、微妙に違う。描かれた作品世界の居心地の良さに、いつまでも浸っていたいという感じ。その居心地の良さが何に由来するのか、説明する適切な言葉が、僕には浮かばない。