不遇な作曲家

ファッシュ(ヨハン・フリードリッヒ)って、いい作曲家ですね。
最近、こういうCDを購入しました。

二本のオーボエと一本(または二本)のバスーンのためのソナタ集です。
ファッシュのCDはもう一枚、カメラータ・ケルンの奏する「クヮドロ&トリオソナタ集」を持っていいるだけですが、この2枚を聴いただけでも、ファッシュが実はバロック時代の中で重要な位置を占める作曲家であったことが納得できます。大バッハのような精神的深みには欠けるかもしれませんが、典雅で清澄な響き、作為を感じさせない流麗・優美な旋律は、うっとりするほど魅力的。テレマンやヴィヴァルディと並べても遜色ありません。(いや、むしろ僕はファッシュの方が好きだと言ってしまってもいいかも知れない。)
残念なことに、この人の録音はあまり多くありません。(というより、楽譜があまり残されていないようなのです。)また、『音楽大辞典』(平凡社、全5巻)の解説はそっけないほど短いし(400字にも満たない!)、僕が愛用している『クラシック音楽作品名辞典』(三省堂)に記載されている曲はたったの9曲です。もっと大きな扱いでもいいのではないかという気がします。
今も、ファッシュを聴きながらこれを書いています。いつかオーボエ吹きを二人捕まえて、ファッシュの曲を吹いてみたいという願望が、僕の中で膨らみつつあります。(ゼレンカの同じ編成の曲もありますが、やっぱりファッシュ!)