やんちゃな生徒の思い出

毎年どの学年にも、元気のいいお調子者の男子生徒というのはいるもので、
4〜5年ほど前のこと、そんな生徒たちと話をしていて、いったいどんな話の成り行きだったのか、
「先生、今日電車の中でカンノー小説読んでいたでしょ!」
「そんなもの、読んでないよ」
なんてことになってしまったのですね。否定すればするほど生徒は面白がって(まあ、大体そんなもんです、こういうやんちゃな生徒達は)、それ以来、
「先生、カンノー小説読んでる?」
「読んでるよ!」
というのがお互い会った時の挨拶のようになってしまったのです。やれやれ…
こんな人懐っこい生徒達が多いのがウチの学校のいいところでもあって、
「先生、ホームルームの時間ソフトボールやるから、先生もおいでよ」
なんて誘ってくれたのもこの生徒達でした。
あの子達も今では大学や専門学校を卒業して、立派な社会人になっているんだろうけど、それでも会えばまた
「先生、カンノー小説読んでる?」
なんて言い出しかねないなあ。

溺レる (文春文庫)

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読んでませんよ、カンノー小説なんて、電車の中では…