新しい教科書

新年度を迎えました!
この時期、新しい教科書を手にしてこれから始まる一年間への期待に胸を膨らます(そしてだんだんしぼんでいく)ということを何度繰り返して来たんだろう。でも、何回繰り返してもこの気分、悪くないですね。
今年度2年生の授業で使うK社の「現代文」の教科書のⅠ部を読んでみましたが、なかなかいい文章が多いなあという感想を持ちました。
最初の文章はサイエンスライター吉永良正の「問いについて」という随想。これは断片的な知識よりも「わからない」という自覚から問いを作り出していくことの大切さを説いたもので、年度の最初にぜひ取り上げたい教材です。
そして、荒川洋治の随想「始める」、山口昌男の評論「遊び」、ドリアン・T・助川の随想「沙魚(はぜ)」、三浦哲郎の短編小説「めちろ」… どれも高校生に読んでもらいたいものばかり。これから1年間の授業計画を作るのですが、全部取り上げるわけにはいかないので、どれを選ぶか悩ましいところです。
そして、問題は「定番教材」の扱い。中島敦の「山月記」と夏目漱石の「こころ」をやるのか、やらないのか。「定番」だから当然やる、という発想は僕にはありません。新しい教材に挑戦してみたい、新しい「定番」を発掘してみたいという気持ちは常にあります。「山月記」や「こころ」をやるなら、生徒のいろいろな読み方をひきだせるような面白い授業ができたらいいなあと思います。
いずれにしても、2、3日中には結論を出さなければ…