何年か前、赤瀬川原平氏によって老人力が発見されたことが世間で大いに話題になっていたことは僕も知っていたが、当時の僕にとってはさほどの関心事ではなかった。しかし、最近になって僕自身および僕をとりまく諸事情も大きく変化し、老人力という言葉が妙に気にかかるようになってきたのだ。
『老人力』という書名がちょっとでも気にかかるような人は、すぐ読むべし。読めばきっと自分の中でも老人力が着実に実力を付けつつあることを発見し、嬉しくなってしまうだろう。その発見は残された人生をがらっとかえてしまうほどの大きな意味を持つかもしれない。コペルニクス的転回という言葉を使ってしまいたいくらいだ。
赤瀬川氏は、
ぼくも一度はライカM6を買って、それをいつかタクシーに忘れてみたい。そういう功名心だけは持っている。
とまで言っている。ここまでくれば、もう何も怖くない。
- 作者: 赤瀬川原平
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/09/01
- メディア: 単行本
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老いが死の恐怖を弱めるのは確かでしょう。それだけで長寿は値打ちがある。
これも老人力につながる発言と言えそうだ。