ドロドロの魅力

mf-fagott2010-08-04ミューザ川崎で、こんなコンサートを聴いてきた。


シューマン:歌劇「ゲノフェーファ」序曲
シューマン:劇付随音楽「マンフレッド」序曲
シューマン交響曲第2番ハ長調
金聖響指揮、神奈川フィルハーモニー管弦楽団



多くの人にとってはすごく魅力的なプログラムというのではないだろうけれど、僕にとっては最近自分が演奏したばかりの「ゲノフェーファ」と「第2番」を含むこの組み合わせはとても興味があった。
金聖響『ロマン派の交響曲の中で、この「第2番」について、

私自身は、この交響曲はちょっとシンドイ気がしています。というのは、あまりにも感情が露骨に表現されていて、痛々しく感じてしまうのです。

と語っている。僕もこの曲にある種の「シンド」さを感じるのだけれど、それは金聖響が言うようなナマナマしい感情表現のせいではないような気がする。この曲は、こちらから近づいていこうとしても、曲の方は歩み寄ってくれない。言いかえると、メロディラインがすっと頭に馴染んでくれない。だって、シューマンの「第2番」ってこういう曲だよって口ずさもうとしても難しいでしょ。なんだかドロドロして。でも、そのとらえにくさがかえって魅力で、もっと理解したいと思って何度も聴いているうちに、何だか中毒のようになってもっと聴きたくなってしまう。不思議な曲だ。別のオケの演奏も聴いてみたいと思う。
それにしても、ミューザ川崎の響きは、好きだな。

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