秋晴れの昨日、職場の仲間と二人で紅葉の雲取山に登ってきました。
家から近く知名度も高い山なのに、僕にとってはこれが初登頂。雲取山が東京都の最高峰であることは知っていましたが、「日本百名山」の中の一座であることは頂上の看板を見るまで忘れていました。
私は学生時代に雲取山の周辺は幾度か歩いたが、いつも頂上を逃し、その上に立ったのはようやく近年になってからである。三十数年ぶりで奥多摩に足を入れてその変わり様におどろいた。小河内ダムを見てから、バスの終点丹波で下車して、サオラ峠に上り、その夜は三条ノ湯で泊った。(深田久弥『日本百名山』)
僕たちのコースもこれと同じで、三条ノ湯に一泊して翌日に頂上を目指すというものでした。
快晴の山頂からはこの夏に登った甲斐駒ヶ岳や懐かしい塩見岳・北岳、それに江の島・三浦半島などもはっきり見わたせて、いつまでも見飽きないほどでしたが、なぜか僕の目を引いたのはすぐ西側に静かに横たわる和名倉山のゆったりとした稜線でした。日本中の山を歩いている同僚のYさんも、まだ登ったことのない和名倉山に惹かれたようで、来年の春に一緒に行かないかと早速僕を誘うのです。その和名倉山のことを、深田久弥はこんなふうに書いています。
翌日の朝、雲取の頂上に立った。あいにく曇って、南方に富士、北方に浅間が雲の切れ間に見えたが、まもなくそれも隠れてしまい、ただ眼前に、無神経なくらい膨大な和名倉山がデンと坐っているのが、唯一の見ものであった。
もし僕たちと同じように快晴の山頂に立っていたら、深田久弥の眼に和名倉山はどう映っていたでしょう。
山頂より東側の眺め。
紅葉は標高1,000〜1,500メートルあたりが見頃。
帰路、奥多摩周遊道路から雲取山方面を振り返る。
- 作者: 深田久弥
- 出版社/メーカー: 新潮社
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