認知症の家族がいても、いなくても…

 認知症についての本を読むのは、これが最初だが、いい本に出会えたと思う。

 認知症に対する理解が深まるのはもちろんだが、それだけではない。
 認知症との付き合い方についての筆者の考え方は、認知症以外の、人に取りつくさまざまな病気と付き合う時の参考になるのではないだろうか。さらに言えば、筆者はこの本を通じて、あらゆる人との付き合いの基本に据えるべき大切なことを語っているのではないかと思う。そういう意味では、この本は、認知症の家族がいる人はもちろん、そうでない人にとっても大いに読む価値がある。
 現在の介護制度がどうなっていて、どういう施設が利用できるかについても、手際良く教えてくれるから、そろそろ親の介護のことが心配、という人にとっては特にありがたい本だ。