「抱え字」?

句会の進め方について確認したいと思って学校の図書館の棚を物色したら、こんな本があった。

俳句なんでもQ&A (NHK俳壇の本)

俳句なんでもQ&A (NHK俳壇の本)

この中に、
Q19 句会の進め方について教えて下さい。」という項目があって、一般的な句会の進め方について説明している。
投句用の短冊は「割りばしの袋ぐらいの大きさがよい」。
幹事さんは、歳時記と国語辞典も用意したほうがよいでしょう。
投句用の短冊を入れるのに「お菓子の箱とか帽子とか袋とかを用意
…なるほど、何をやるにも準備は大事だな。

その他、この本には「句帳を使う留意点を知りたい」とか「俳句の『賞』の応募のしかた」など、妙に実践的な説明が多いところが面白くて、結局全部読んでしまったのだけれど、一番の収穫は「Q7 一句にふたつの『切れ字』はどんな場合に許されるか」に対する答え。
有名な「降る雪や明治は遠くなりにけり」の中の助詞「は」を「抱え字」といい、この「抱え字」を使用するときに限って句中に二つの強い切れ字があっても許されるのだそうだ。今まで「抱え字」という用語を目にしたことがなかった僕にとってはなかなか興味深い内容だったけれど、すっきり納得できたというわけではない。
「は」は文末に終止形を要求する係助詞だから「降る雪や明治は遠くなりにける」では文法上誤りで、「…けり」とするのが正しいというのはわかるけれど、その説明がすなわち二つの切れ字が許されることの根拠になるわけではない。著者は

「抱え字」については、俳文学者諸氏の今後の研究の成果を待ちたいと思います。

と言っているけれど、その後この問題については何か進展はあったのだろうか。