朝のラジオ

平日の朝は、目覚まし時計代わりにセットしてあるラジオの「基礎英語」で目が覚める。早起きする必要のない土日もめんどくさいのでそのままにしてあるのだけれど、面白いもので平日は聞こえる音が休日は全然聞こえない。ラジオが鳴り終わってしばらく経った8時近くに目が覚めるというのが毎週のパターン。
ところが、今朝は蒲団の中の僕の耳に、ラジオの音声が切れ切れに聞こえてきた。
「…日本語…漢字…俳句…」
英語と日本語で詩を朗読しているというのもわかった。その声が心地よくて、すぐまた眠りに落ちてしまったのだけれど。


夕方、本屋の前を通りかかったときに、ふと朝のラジオのことを思い出してNHKのテキスト売り場の棚を見たら、「英語ものしり倶楽部」というテキストが見つかった。今朝、夢うつつで聞いた番組はこれだったんだ。
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詩は、アーサー・ビナードの「釣り上げては(CATCH AND RELEASE)」という詩だった。その最後の連。

食器棚や押入れに
しまっておくものじゃない
記憶は ひんやりした流れの中に立って
糸を静かに投げ入れ 釣り上げては
流れの中へまた 放すがいい。


They can't be kept in cupboards or closets.
Wade out into the chilly current,
cast a line quietly, wait, now
set the hook and reel in....
Then release
back into the stream.

僕は、テキストを買って帰り、夜の再放送を、今度はテキストを見ながら聞いた。アーサー・ビナードが自作の詩を朗読し、どうして日本語で詩を作るようになったのか語っている。面白い。でも、英語の部分は半分くらいしか聞き取れない。悔しい。
来週もアーサー・ビナードが出て、今日の話の続き。ラジオが鳴り始めたら起きて聴こうと思う。