オジサンになる前の話

生徒から薦められて読んでみたら、けっこう衝撃的だった本といえば、中島らもガダラの豚という小説で、これも昨日書いた『イマ、これだけは読んでおきたい200選!』の中に入っていました。

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

ガダラの豚〈1〉 (集英社文庫)

もう10年以上も前のことで、詳しいいきさつは忘れてしまいましたが、僕のクラスの本好きの男子生徒が「はい、先生これ絶対面白いから読んでみて」と言って持ってきてくれたのが、まず自分からは手にしそうもないアヤシイ雰囲気の漂う分厚いハードカバーで、一瞬たじろぎはしたものの、後にひけない状況だったので、意を決して読み始めたのです。
『イマ、これだけは…』の紹介文の最後に「呪術・トリック・宗教など私たちの「常識」の外について考えさせられる作品。」とあるのを読んで、内容を少し思い出しました。常識ではあり得ないような摩訶不思議が次々と起こって、それが妙にリアリティがあるものだから、ひょっとしたらこんな世界が本当にあるのかも、と思わせられつつ翌日の睡眠不足を覚悟しながらのめりこんでいく、という何日かを過ごしたのでした。中島らもって、すごい才能の持ち主だなあと感心したことを覚えています。

…自分のことをオジサンではなく、まだオニーサンだと信じて疑わなかった頃のお話でした。