句集『行方克巳集』(「セレクション俳人」16)が届いたので、さっそく読んでみました。
- 作者: 行方克巳
- 出版社/メーカー: 邑書林
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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霜柱もつとも深きところを踏み
たびびとのごとく出て来て麦を踏む
トロッコ伏せ秋の日はもうどこにもなし
蝉の殻だれにも見せずつまらなく
オートバイ花の幹より曳き出せる
ポケットのどんぐり不意に尖りたる
これら、僕が丸印を付けた句は、自分の中にかすかに残っていながら自分では今まで形を与えることのできなかった感性が、見事に形象化されたものなのだと言えると思います。
しかし、集中最後の次の句は、別の意味で、僕にぐさりと突き刺さってきたのでした。
生涯のいま午後何時鰯雲
午後1時ちょっと過ぎたあたりだと思いたいけど…