ドトールの椅子

年に一度の健康診断も胃部X線検査で終了。
「はい、もうげっぷしても大丈夫ですよ。便秘になりやすい方ですか?」
「いえ…(すぐ下痢する方です)。」
「今飲んだバリウムにも下剤が入っていましたが、もし必要だったらこの下剤もお飲み下さい。はい、これで検査はすべて終了です。」
えっ、バリウムに下剤が入っていた? なんて余計なことしてくれるんだ。今まで30回くらいはバリウムを飲んできたけれど、便秘に苦しむなんてことは一度もなくて、それどころか、あれっ、もうこんなところまで降りて来てたの、っていうくらい驚きの速さが自慢の僕。(自慢にならないか…)
そんなわけで、お腹の不安を抱えつつ、遅い朝食をとろうと喫茶店へ。コーヒーを飲みながら穂村弘『現実入門』を読んでいると、こんな一節に出くわした。

事実かどうか定かではないが、珈琲屋のドトールの椅子は微妙に座り心地が悪く設計されているそうだ。それによって客の長居を防いで回転率を上げるのだと云う。

あれっ、ドトールって、ここじゃん。ドトールの椅子ってこの椅子じゃん。僕は思わず店内の椅子を観察したり腰を少し浮かしたりしてみたけれど、たしかに深々と座り込んでゆったりするような椅子ではない。でも、もともと長居するつもりでドトールに入ることはないから、椅子の座り心地が気に入らななんて思ったことはなかったなあ。
それに今日だって、ゆっくりしている場合じゃないよ、そろそろお腹の真ん中あたりが…