テレビを休もう?

娘が学校の図書館で借りてきた本を、僕の方が先に読んでしまった。

テレビのゆくえ―メディアエンターテインメントの流儀

テレビのゆくえ―メディアエンターテインメントの流儀

「女子アナ」「おバカキャラ」「視聴率」「やらせ」「お笑い」…テレビにまつわるちょっと気になる話題がひととおり並んでいる。なかなか面白い。

「テレビでも観よう」
そんないい方を人はよくする。
「テレビばかり観ていてはダメですよ」
と、世の親たちはいう。
これから、
「(是非)テレビを観よう」
とか、
「テレビを観なければダメですよ」
そんな風に視聴者が考えてくれるような番組が増えてゆけばいいと思う。

(エンターテインメントの流儀)

筆者はこんなことを言っている。筆者は、歴史の浅い発展途上のメディアであるテレビのことを本当に愛しているのだ。そしてテレビの行く末を案じている。だからテレビに少しお休みを取ってもらって、「今後、どのように対処してゆくべきか、思案する」ことも必要だとも言う。
僕も一度テレビというやつがこの世から消えてみても良いのではないかと思っている。今のテレビだったら、なくなってしまっても一向に困らないし、寂しくもない。面白い番組がないわけではないが、くだらないというか、不愉快な番組も多い。芸人が放送禁止用語かなんかを口にすると、「ピー!」といって、ご丁寧に口元まで隠してしまうやつ。テレビの中のヤツらはそれを聞いて愉快そうに笑っている。テレビの前の人間をこんなに馬鹿にした話はないでしょう。こういう不愉快な番組を、多くの視聴者は本当に楽しいと思って観ているんだろうか。あと、いいところでコマーシャルが入ってじらされるやつね。コマーシャルの後には拍子抜けするほどのつまらない結果が待っているっていうのがお決まりのパターン。こういうのはさすがにやめようという動きがあるらしい、ということは、かつてはもっと多かったってことか?
ウチのテレビは「地デジ対応」ではないから、そのうち使えなくなる。ちょうどいいから「地デジ」切り替えを機に、我が家はテレビをやめよう、と僕は本気で言っているのだが、家族はだれも相手にしてくれない。テレビは楽しい、なくては困る、というのが多数派なんだろう。それほどテレビというのは、今の世の中、大事な存在なのだ。
そんな大事なテレビなのに、「テレビを観なければダメですよ」とは言わない。そんなことを言わなくてみんな観るからだろうか。それもあるだろう。テレビを観ないからって、実は何も不都合は生じないからということもあるだろう。でも、本当は、「観なきゃもったいないよ、絶対に観るべきだよ」と言いたくなるほどにはテレビは面白くないから、というのが一番の理由じゃないのか。
「テレビを観なければダメですよ」とは言わないけれど、「本を読まなければダメですよ」と言う人はいる。なぜだろう。本を読まないと立派な人になれないからか。そんなの全くでたらめであることは、周りを見回せばすぐわかるでしょう。本を読んだからってみんな立派な人に成長するとはかぎらない。(そりゃ、読む本の内容とか量にもよるけど…)
本気で人に本を勧める人っていうのは、読んだからどうなるとか考えて言っているのではなくて、実はただ本がとても面白いからそう言っているのではないのか。「こんなに面白いもの、読まなきゃもったいないよ、絶対読むべきだよ」という気持ちが「本を読まなきゃダメですよ」というせりふになってしまうんじゃないだろうか。余計なお世話かもしれないけれど、こんなに面白い本を知らないで終わってしまう人生なんてもったいないよ、って言いたくなる気持ち、僕はよくわかる。世の中にはくだらない本も多いけれど、鳥肌立つほど面白い本も多い。その点、テレビはどうか?
僕はもっとテレビには面白くなって欲しいと思う。「テレビを観なければダメですよ」と言いたくなるくらい、本当に面白い番組があふれるほどあって欲しいと思う。テレビの前にかじりついているウチの子供たちにもっと面白いものを見せてやって欲しい。「地デジ対応」だって、いずれは買うことになるんだし。


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