寄り道の収穫

今日はいつもと違う通勤ルートを通って帰宅。途中、我が家と同じ区内にあるのに今まで一度も利用したことのなかった図書館に寄ってみた。前から気になっていた清水哲男句集『打つや太鼓があったので、書架のすぐ横の椅子に座って読み始める。


人間にうわの空ありとろろ汁
地球儀に海の名を読む愁思かな
ドアの外に出ている器寒波来る
色見本抱いて枯木の道を来る
雪降るとラジオが告げている酒場
具体的に春の扉を押している
ビールも俺も電球の影生きている
お話がありますと言い枯れにけり



いいなあと思った句をノートに写し終わったところでちょうど閉館時間のアナウンス。清水哲男の詩集も読みたくなって捜したら、『黄燐と投げ縄』『夕日に赤い帆』の二冊があったので、借りて図書館を出た。
詩の発想を拝借して俳句を作るわけにはいかないけれど、月並みな句しか思いつかない硬直した僕の頭は、新鮮な詩の言葉を注入してやってほぐしてやる必要がある。清水哲男の詩を読んだら、清水哲男の作る柔軟な発想の魅力的な句に少しでも近づけるだろうか。