子どもとシュルレアリスム

小学生の娘と、横浜美術館で開催中の展覧会「シュルレアリスムと美術」を観て来ました。
子どもが楽しめるような絵は少ないだろうと予想していた通りで、娘は今まであまり見たこともないような奇妙な絵の連続に戸惑った様子でした。
僕が「これはね、夢を絵にしたんだよ」と言うと、納得できたようでしたが、「でもこんな夢、あんまり見たくないな…」
最後の方に展示してあった奈良美智の絵の前では、「あっ、これかわいい! 部屋に飾りたい!」と喜んでいましたが、今度は僕の方が戸惑ってしまいました。「どうしてこういう絵がシュルレアリスムなんだろう…」


ところで、経験上、展覧会をより楽しむには多少の予習が必要です。子どもと一緒に展覧会に行くときに親が予習するのにちょうどいい本があります。『絵画入門 子どもと親の美術館 (とんぼの本)』。この本は、北海道立近代美術館が毎年開いている「子どもと親の美術館」展のカタログをもとに作ったというだけあって、文章が平易で、子どもにどういう言葉で絵を説明したらよいか教えてくれます。ちなみにシュルレアリスムについては、こんなふうに書いてあります。

シュルレアリスムは、ふだんの生活ではあらわれてこない、かくされた欲望や夢を、目にみえるかたちで表現しようとします。現実とは異なり、目にもみえず、また手に触れることもできない幻の世界を描き出そうとするものです。

今日は行きの電車の中で、僕はこのシュルレアリスムについて書いてあるあたりに目を通し、娘にはキリコやダリの絵を見せて、「今日はこんな絵がたくさんあるよ」などと話をしておいたのですが、そのことが少しは現地で役に立ったように思います。娘は売店に置いてあったカタログの見本のページをゆっくりめくりながら、展覧会を振り返っていました。わからないながらも少しは興味を感じたようです。


■おまけ情報
その1…《横浜美術館ウェブ・スペシャルズ》というのに登録すると、会場でこんなトートバッグがもらえます。

その2…《リピーター割引》を利用すると、団体料金になります。
どちらも詳しくは横浜美術館のホームページで。「シュルレアリスムと美術」は今度の日曜日(12月9日)で終わりですよ。