愛💛の言葉

今、鎌倉文学館に入館するとすぐ、「おみくじやってまーす、どうぞ」と言われる。バレンタインデー&ホワイトデーにちなんだ企画で「文豪愛の言葉おみくじ」というのだ。

僕がひいたのはこれ。

先ほど読んだ小説の登場人物も、ちょうどおみくじに使えそうな「愛の言葉」を口にしていた。山川方夫の「軍国歌謡集」より。まずは、主人公の友人で、愛の必要と可能性を信じて疑わない大チャンのことば。

「おかしなもんです。人間はね。人間であるためには、かならずもう一人の人間を必要とするんですよ。そこに愛が生まれてくるんです。

それに対して、愛に対して懐疑的で、愛は「わずらわしい不自由」しかもたらさないと考える主人公「私」のことば。

僕は知っているんだ。愛とはね、嘘を信じ、嘘を生きることさ。あえていえば、狂気を生きることさ。

ん? これは、おみくじにはちょっと使えないかな。

 

僕が読んだ「軍国歌謡集」は、百年文庫3(畳)に所収のもの。他の二編は、

林芙美子馬乃文章

獅子文六ある結婚式