自分の揺れが収まってから

1月7日の「朝日」の読書面で「売れてる本」として紹介されていた本。

聞くことの難しさは日々痛感するから、「聞く技術」はわかるけど、「聞いてもらう技術」って、何? という疑問も、読んでみて納得。聞いてもらうことで心に余裕ができる、それが心にスペースを作り出して、今度は人の話を聞いてあげる側に回ることができる。なるほど。自分がいっぱいいっぱいの状況では、人の話を聞くどころではないというのは、その通りだと思う。「聞く」と「聞いてもらう」はぐるぐると循環する。聞くために、まずは聞いてもらうから始めるというのは、一つの考え方だ。

自分自身が危機のただなかにあるときは、うまく他者のことを理解できません。

自分の地面が揺れているときには、そこにあるのが相手の揺れなのか、自分の揺れなのかわからなくなってしまいますよね。自分の揺れが収まると、相手の揺れがきちんと見えるようになる。

こんな具合に、比喩も卓抜。売れている理由は、こんなところにもあるのかも。

ほかにも、孤独と孤立は違うとか、世間知と専門知が補い合うとか、なるほどそうだと頷ける部分が多かった。