夏井いつき『句集 伊月集 梟』を読んだ。作者四十代の作品を集めたという第二句集。「ふくろうに聞け快楽のことならば」で始まり、「木枯を百年聞いてきた梟」で終わる。
龍の玉こつんとほんとのことを知る
春の川きらりきらりと失念す
咲きかねし梅にみくじのきゅっとかな
さえずりのすとんと止めば波の音
問い詰めればぱふんと春の魔法瓶
養命酒みたいな春の日のとろん
など、印象的なオノマトペを用いた句が多い。
コーヒーに春の焚火の灰まじる
ぶらんこに乗って助役は考える
春の水凹みて鯉の口あらわる
あなたがたもセイタカアワダチソウでしたか
こういう句を、自分でも作れるようになるのが、目標。