国木田独歩の代表作は?

大学入試にしばしば出題される、「国木田独歩の代表作を次の選択肢の中から選びなさい」、という問題の答えがほぼ例外なく「武蔵野」である、というのは、不思議と言えば不思議。

短編小説作家、独歩の本領が発揮された作品を選ぶとしたら、「酒中日記」か、「運命論者」か、「春の鳥」か、「竹の木戸」か。それとも芥川が「調和のとれた独歩」と賞した「鹿狩」か、漱石が面白く読んだという「巡査」か。

いずれにしても、独歩の代表作を次から選びなさいの答えが、「鹿狩」とかだったら、受験生は怒るだろう。しかし、独歩の代表作を「武蔵野」と答えられたとして、そのことにどれほどの意味があるか? 

武蔵野 (新潮文庫)

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牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (新潮文庫)

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