島尾敏雄の短編集『硝子障子のシルエット』を読んだ。
この中のいくつかは若いころ読んだ「特攻隊もの」と響き合い、いくつかは昨年読んだ『死の棘』と呼応することに気付く。つまりは、「解説」で秋山駿が指摘するように、これらは「作家の秘密を解く『鍵』としての役割をもつもの」ということができる。
夫として、父として、家族に対して違和を覚え、戸惑い続ける男。あるいは、外界に対してしっくりとなじめない、異物としての自分。そんな冴えない主人公に惹かれてしまうのはなぜだろう。
島尾敏雄の短編集『硝子障子のシルエット』を読んだ。
この中のいくつかは若いころ読んだ「特攻隊もの」と響き合い、いくつかは昨年読んだ『死の棘』と呼応することに気付く。つまりは、「解説」で秋山駿が指摘するように、これらは「作家の秘密を解く『鍵』としての役割をもつもの」ということができる。
夫として、父として、家族に対して違和を覚え、戸惑い続ける男。あるいは、外界に対してしっくりとなじめない、異物としての自分。そんな冴えない主人公に惹かれてしまうのはなぜだろう。