久々の鍛錬句会

 2年半ぶりに「街」鍛錬句会に参加させていただきました。
 久々の句会で緊張しているのに、出された題がなんと「恋文に添える一句」、恋文を受け取った相手が喜ぶような句をつくれというのです。
 もういきなり意表を突かれてしまって、ほとんど頭はパニック状態。制限時間の約20分のうちの前半10分ほどは焦るばかりで、掌は汗ばみ、歳時記をめくる指が震えます。周囲の方々が着実にペンを走らせている気配が伝わってくると、自分の頭はますます空回りするばかりです。
 それでも締め切り時刻間際まで必死に考え、足掻いた末に4句を出句することができました。鍛錬句会ではいつもそうなのですが、締め切り時刻がじりじりと迫り、追い詰められた状況の中で、ポンと句が生まれてくることがあるのが不思議です。
 二つ目の題は、「春の蚊初蚊)」、「春の蠅蠅生まる)」。これにも苦労しました。なにしろまだ1月ということで、冬の季語しかマークしていなかったので… 自分でも何を言っているんだかよくわからない句も含めてようやく6句を出句。句会では季節を先取りする傾向があるということを念頭に置く必要がありそうですね。
 三つ目の題が、これまたびっくりの「システムキッチン!」 そもそもシステムキッチンと、システムでないキッチンとはどうちがうのか? 我が家の台所はシステムキッチンと呼べるものなのか? よくわからないまま、句帳に書きとめてあった出来そこないの句の一部と「システムキッチン」を無理やり合体させたりして3句を捻出。配られた清記用紙を見ると、なるほどと思わされる句がたくさん並んでいるので驚きます。
 主宰の講評は少ない言葉の中で、入選句の魅力を的確に指摘してくれます。そしてそれは、自分の句に何が足りないのかを考えるヒントになります。
 今回も、句会の楽しさを存分に堪能でき、充実した一日となりました。実は、今月半ばに自転車で転倒して腿に負った打撲傷の経過が悪く、参加するかどうか迷ったのですが、足を引きずりながらも出かけた甲斐がありました。次の句は、主宰の入選をいただきました。

  春蚊出づ腿の湿布をはがすとき