『沸騰!図書館』を読んだ。
そして、すぐにアマゾンのカスタマーレビューを読んでみた。すると、なかなか面白いことになっている。
「このレビューが参考になった」の投票率が90パーセント前後と、評価が高いものと、10〜20パーセント程度と極端に評価が低いものとに、はっきり分かれている。そして、投票率の高いレビューは、「自画自賛本」「自己陶酔本」などと、ほぼ例外なく樋渡元市長に対して批判的(ときには敵意むき出し)の内容であるのに対して、樋渡元市長に対して「素晴らしい経営者」などと好意的なレビューに対する投票率はことごとく低いのだ。
そもそも、アマゾンのレビューというのは、商品を購入するか否かの参考にするためのものだと僕は思っていたし、実際そのように利用して今まで役立ててきたけれど、この本に関して言うと、市長自身に対する信任投票、あるいは人気投票の様相を呈している。ごく単純化してしまうと、
市長のやり方は間違っている。
↓
そんな市長の著書は読む価値がない
↓
読む価値のない本を持ち上げているレビューは参考にならない
という思考回路が働いて、上に書いたような投票結果につながっているようなのだ。
ほぼ間違いないのは、樋渡元市長にはかなり強烈な批判勢力が存在し(そりゃ、そうだろうなあ…)、少なくともアマゾンの利用者に関して言えば、樋渡元市長支持派は少数であるということ。『沸騰!図書館』は、そんな著者によって書かれた本だということを教えてくれるという点で、やっぱりアマゾンのカスタマーレビューはとても参考になるのだ。
しかし、(アマゾンのレビューにもあったと思うけれど)著者の書き方には、自分を正当化するようなアンフェアな姿勢が見られる。別の人が別の視点から見れば、きっと違う印象を受けるだろうと思う箇所はいくつもあった。
それにもちろん、図書館業務の民間委託という彼の仕事をどう評価するかは、本の評価とはまた別の話だ。武雄市図書館には、機会があれば一度は行ってみたいと思うだけの魅力は感じる。もし、同じような図書館が家の近所にできたら、コーヒーを飲みながら雑誌をぱらぱらとめくってみるために、月に一度くらいは行くかもしれない。しかし、スタバのコーヒー飲みながら雑誌を読める場所が、図書館の中にある必要はない。図書館の姿はどうあるべきかということになると、難しい問題だ。
とりあえず、海老名市の図書館にTSUTAYAが入るらしいので、久しぶりに行って様子を見てみようかと思っている。