がんばれ、あかぼし!

 ネットサーフィンしていて、こんな本があることを知り、さっそく購入。なかなか面白かった。

あかぼし俳句帖 1 (ビッグコミックス)

あかぼし俳句帖 1 (ビッグコミックス)

 赤星啓吾、定年まであと5年、会社では閑職に追いやられ、何か趣味を見つけようとして出会ったのが俳句。その赤星が初めて参加した句会は雰囲気が良く、魅力的な句が出てくるし、選評では互いに鋭い意見が交わされる。句会の面白さがよく伝わってくる。その一こまを紹介しよう。

シャガールの舞う花嫁や桜守

これは、イケメンの若者、遊佐の句。この句に対する句歴40年の勝さんの評は、

花嫁と桜守が安直につきすぎて安っぽい

実は、僕の最初の感想も似たようなものでした。
句歴60年の柚子さんの評は、

だいたい、「や」で切るほどの句かねぇ。主観句はいいけど、「と」でつなげるのが自然じゃない?

これも、なるほど、と思わされる意見。これに対して、主宰の言は、

「と」で一息につなげると‥シャガールの絵によくある宙を舞う花嫁とその婿さんの図から出てこられないね。「や」の中七で切ると、桜吹雪の繚乱に舞い遊ぶ花嫁と、一心に恋い慕い護衛するひとりの男が見えてくる……

なるほど。この評を読んでから、もう一度じっくり読みなおしてみると、「シャガール」の句、案外悪くないかも、と思えてくる。これが句会の面白さ。ところで、赤星のこのやり取りを聞いての反応は、

全然ついていけん…!!
なんで皆、シャガールの絵とか知ってんの……!?
俳句長くやってると知識も豊富になるんだろうか…

赤星さん、あなたの今後の活躍が、とても楽しみですよ。あせらず楽しんでください。まだまだ若いんだし…