- 作者: カポーティ,吉行淳之介,アンダスン
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/10/12
- メディア: 文庫
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秋の季語でもある「夜長」という言葉には、厳しい暑さも去り、ゆっくりと読書や音楽鑑賞などを楽しめる好ましい時期というニュアンスが感じられるが、「短日」になると、慌しく夕闇が迫り、寒さも厳しさを増すといった負のイメージが強まる。
クリスマスというのはある意味で太陽の復活を喜ぶ日。そう考えると、宗教心のない日本人までもがこの日を盛大に祝おうとする気持ちになるのも、理解できる。もしクリスマスがなかったらとしたらと想像してみる。日のもっとも短いこの時期、なんとも殺伐とした気分ばかりが世の中を覆ってしまうのではないか。
「夜」がテーマの小説三編。やはりどれも暗い。しかし、地球の半分は常に夜なのだ。三つの小説の若い登場人物たちの中では、その半分は夜である人生というものを引き受ける心の準備はもうできている。