伊丹十三って、気障で嫌味で、ちょっと鼻持ちならない奴だなって思いませんか?
本場の味をよく知ってるからって、日本のスパゲッティのことを「和製炒め饂飩」なんて、馬鹿にしてますよね。(一昔前は、確かにそんなもんだったのかもしれませんが…)
私の考えでは日本人に洋服は似合わない。これはどうも日本人の顔つきと躰つきに原因があるように思われる。
つまり婉曲にいうなら、三次元性が足りないのである。
率直にいって扁平なのです。
なんて書いてるけど、この「日本人」の中に、自分自身は入っているんでしょうか? 背が高くてちょっと日本人らしくない目鼻立ちの筆者は、内心…俺はちょっと普通の日本人とは違うけどな…なんて思っているな、きっと。いやらしいじゃないですか。
ところがこんなこと言いながらも、この人の書く文章、僕は好きなんですよ。ずいぶん前に『問いつめられたパパとママの本』を読んだとき、ユーモラスで面白い文章を書く人だなと思ったけれど、今度読んだ『女たちよ』もやっぱり期待通り。ヨーロッパかぶれ丸出しで、独断的なことを書きならべているんだけど、ついつい先を読みたくなる。伊丹十三の文才、認めざるを得ません。
映画『お葬式』も『タンポポ』も面白かったし、奥様の宮本信子さんは相変わらずきれいだし(関係ないか…)
才能のある男っていうのは、こういうもんなんですね。何をやっても、サマになっちゃう。
- 作者: 伊丹十三
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03/02
- メディア: 文庫
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