汀女と風天

 本の返却のため、横浜市立中央図書館に行って来た。今日は終日曇り、雪もちらつくかもしれないという天気予報だったのに、気持ちの良い青空。図書館に行く前に、すぐ先の野毛山公園に足を伸ばしてみた。

ずいぶん前に来たことがあるはずなんだけど、野毛山公園って、こんなところだったんだ…
公園の一角に、中村汀女の句碑を発見。

蕗のたうおもひおもひの夕汽笛

 図書館では、句集を一冊借りて帰ろうと思っていたが、荷物を重くしたくなかったので、目についた渥美清の句集『赤とんぼ』をその場で読んで、十句を紙に写して来た。

釣堀誰もいなくて少し風吹く
好きだからつよくぶつけた雪合戦
そばあっけなく食って扇風機
赤とんぼじっとしたまま明日どうする
ベースボール遠く見ている野菊かな
花びらの出て又入るや鯉の口
いわせれば文句ありそうなせんべい布団
乱歩読む窓のガラスに蝸牛
お遍路が一列に行く虹の中
ポトリと言ったような気する毛虫かな

 夕方近くなっても青空で、雪が降りそうな気配はなかった。夕飯のおかずのモツ煮込みを作るため、横浜駅の地下で麦味噌を買い、床屋に寄ってから帰宅。家では娘がエレキギターの練習をしていた。