かかって来い、現代アート!

現代アート、超入門! (集英社新書 484F)

現代アート、超入門! (集英社新書 484F)

この本は良書の部類に入ること、間違いないと思う。
具体的な作品を取り上げながら、とっつきにくい現代アートの世界へごく自然に読者を導いてくれる。誰にでもわかりやすく説く、というのはこういうことなんだというお手本みたいな文章だと思う。個々の作品ごとに読者に投げかけられた問いが効果的だ。その問いに答えようとすることで読者に主体性が生まれる。主体的であることは、文章の読解にも、作品の鑑賞にもとても大事なことだ。
読み終わってみると、「どこからでもかかって来い、現代アート!」などとすっかり強気になってしまった自分を発見できる。
ずいぶん褒めてしまったけれど、今受講している教員免許更新講習が一日6,000円するのと比べたら、一冊720円(+税)というのは安すぎるくらいだなあ。