10句競作

暑いですね。こんな陽気がこれから2か月以上も続いたとしたら、参っちゃいますね。
ところで実は、「週刊俳句」の「10句競作」に参加していました。「36 枇杷の実」が僕の作品です。
その結果が本日発表になっています。金賞、銀賞、審査員各氏のオススメには入りませんでしたが、「ウラハイ」上での審査選考ライブではとても好意的に論評していただき、思い切って応募して本当によかったと思いました。「古臭い!」と一蹴されるかもしれないと覚悟していたものですから…
中でも、五十嵐秀彦氏の「独特のセンスを持った人」との評はちょっと驚きでした。自分では、「平凡」「常識的」という殻をなんとか突き破らねばと感じていたのですが、自分らしさというのは自ずと現れているということでしょうか。これからも自分のセンスを信じて作っていけばいいのかなと、ちょっと自信になりました。
神野氏、関氏、それから進行役の西原氏にも丁寧に作品を読んでいただきました。ありがとうございます。
作品審査選考ライブ、まだお読みでない方は、ぜひお読みください。おもしろいです。審査選考ライブでは、待ちに待った僕の作品の順番がきたと思ったら、ひとつ前の「すごい景」を描いた問題作のコメントが紛れ込むというちょっとしたカオス状態が続いていて、これもまた一興といったところです。
さて、応募作の中から僕がいいと思った作品をいくつか挙げておきます。


01 噴水が人の代はりに立つてゐる  山田露結
02 さてこれは毛虫入れろといふことか   澤田和弥
20 冬の夜の絵本で熊が殺される   きむらけんじ
23 二階へと木がのびている昼寝かな   千代
29 あめんぼのまた戻り来る水溜り   金子 敦
31 マネキンの足組み替へる薄暑かな   内田茂
34 荷造りの紐の足りない昭和の日   近 恵
35 時間が壁の高いところにある白夜   生駒大祐
37 造られて公園となるチューリップ   村越 敦



僕好みの句の中に、なんだかよくわからない句(02、35)が混ざっていますが、いずれも印象に残った句です。
御中 虫氏の「05 おのまとぺ」は、なんじゃこれ、と思いました。でも面白い。草野心平を思い出します。明日の授業の「今日の俳句コーナー」は


うっゲホゲホくっゴホゴホ仮病ですゴフッ


に決定。
生徒、変な顔するだろうな…


■追記(7/5)
うっゲホゲホ…」を教室で紹介してみました。黒板に書いて見せて、いつもやたら元気な女子に「読んでみて」と言ったら、「無理だよ無理、難しいじゃん、それ。普通のだったら読めるけど。」と言われてしまったので、仕方なく僕が自分で読んで、感想を聞いてみました。
面白かったのは、「会社に電話しているんだよ」という某男子生徒の意見。なるほど、上司をだまして有給休暇を取ろうってわけですね。
「これ、俳句だと思う?」という質問に、「先生がそれ俳句だって言うなら、そうなんでしょ」という妙に覚めた反応を見せる生徒もいます。俳句に対して特にイメージがない生徒は、さほど抵抗感なく受け入れてしまうということでしょうか。僕なんかより生徒の方が、よっぽどこの句の作者の感性に近いのかもしれません。