国語の授業の最初に、「今日の俳句コーナー」というのを作って、生徒にその季節の俳句を一句ずつ紹介している。
生徒にも「うん、わかる」と共感してもらえそうな句の中から、今日はどれにしようかと選ぶのが楽しい。
これまでに取り上げたのは、
てのひらに鉄棒の錆夏めく日 広瀬直人
南風吹くカレーライスに海と陸 櫂未知子
じゃんけんで負けて蛍に生まれたの 池田澄子
蜂を描くしだいに蝶に似て来たる 岸本尚毅
蛞蝓といふ字どこやら動き出す 後藤比奈夫
など。「学校の売店のカレーの海と陸の比率はどのくらいかな?」とか、「みんなはじゃんけんで勝って人間に生まれたのか?」とか、「ナメクジ触るの好きなやついるか?」とか、テキトーな質問をしながら、ちょっとだけカイセツをする。
今日は夏至。それで「今日は何の日かな? そう、ゲシだよね。ゲシを漢字で書くと…」なんて言いながら、黒板に書いたのが、
夏至の日の手足明るく目覚めけり 岡本眸
今朝は僕も「手足明るく」と言われればそうだったなあと思えるような、気持ちのいい朝を迎えることができたけれど、日中の教室は暑くて参った。でも、前の時間に紹介した俳句を覚えてくれている生徒もいて、嬉しい。
あす以降紹介する予定の句は、
教室にプールの水の匂ひ来る 茨木和生
いろいろな泳ぎ方してプールにひとり 波多野爽波
立泳ぎして献立を聞いてをり 今井聖
少女みな紺の水着を絞りけり 佐藤文香
冷房に海の匂ひのまま眠る 仙田洋子
昼寝よりさめて寝ている者を見る 鈴木六林男
はるかまで旅してゐたり昼寝覚 森澄雄
夏の旅みづうみ白くあらはれし 田中裕明
など、など。(紹介したい句はいくらでも出てくるなあ…)
どの句にするかは、その日の気分次第。
そういえば、amazonに注文していた『超新撰21』が届いていた。この中にも生徒に読ませたくなるような句があるかな?
超新撰21―セレクション俳人プラス (セレクション俳人 プラス)
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