展覧会と句会

昨日―
長谷川潔展(横浜美術館)を観に行った。
僕は長谷川潔が好きで、部屋には前回の横浜美術館の展覧会で買った絵葉書が4枚、額に入れて飾ってある。


様々な技法を駆使した的確な描写、計算された構図、控えめながら効果的に加えられた色彩…時間をかけて丹念に仕上げられた一つ一つの作品は完成度が高く、隙がない。それでいて、見る者を突き放すような冷たさは感じさせない。優美で、瀟洒で、ちょっと神秘的で、いつも身近に飾って眺めていたいような作品ばかりだ。フランスで高く評価されたというのももっともな話だと思う。


今日―
「街」の鍛錬句会にお邪魔してきた。
たった20分ほどの間に席題で句を作るというのは、僕にとっては相変わらずつらいけれども刺激的な経験だ。「街」の会員の方はさほど苦もなく作っているようで、中には10句以上も出している方もいるようだ。
今井主宰曰く、俳句はじっくりと時間をかけて作ればいい句になるとは限らず、短時間でひねり出さねばならないとなったときに自分でもびっくりすような新しい句が飛び出す可能性がある。句会の中でこうして出て来た句は、完成品である必要はなく、後からじっくり手直しすればよい(言い方はだいぶ違うけれど)。
実際、主宰によって選ばれた多くの句は、ほめられる以上にたくさんの注文が付く。荒削りであっても見どころのある句を出せればいいのだ。ところがどうも僕にはそれが苦手なようだ。頭が固くて発想が乏しいのと、まとまった句にしようとする意識が強すぎるのが、数を作れない原因だと思う。
そもそも僕は俳句に限らず、時間内で量をこなすというのが苦手だ。こんな僕でも、今日のような句会の経験をたくさん積めばなんとかなるのだろうか。