- 作者: 坪内稔典
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2010/12/18
- メディア: 新書
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正岡子規が教えてくれるのは、何よりもまず、書くということがどんなに楽しいかということだ。子規は自らの墓碑銘でさえも楽しんで書いてしまう。そして、もう一つは、誰もが避けることができない「病」との付き合い方。
彼は病気にまで面白さを求めた。病気の境涯、つまり毎日毎日が病気の暮らしだから、病気そのものに面白さを求めるほかない。
正岡子規と病気との仲を取り持ってくれたのも、「言葉」だろう。
34歳の若さで没した子規だが、決して病気に負けたという印象を与えない。言葉を味方につけた人間は、強い。