あけましておめでとうございます


家族全員、健康に新年を迎えることができました。
今年もよろしくお付き合いください。

新・作庭記

新・作庭記

これも読みかけのまま年を越してしまった本。庭作りの魅力を語りながら、日本の軟弱な文化・芸術・文学を一刀両断、バッサバッサと切り捨てる。その歯切れの良さが心地よい。しかし、僕自身も丸山健二に切って捨てられる方の人間なのに違いない。
■追記(1/3)
『新・作庭記』読了。丸山健二の庭は、何度か写真で見ているのである程度のイメージは頭の中にあるけれども、その個性的で魅力あふれる庭のたたずまいは文章からもうかがい知ることができる。そして自分の好みの庭を時間をかけて育てることの喜びも。
しかしこの本はただ庭作りについての蘊蓄を傾けただけでは終わらない。筆者が多大なエネルギーを注ぐ庭作りは筆者の生き方そのものだ。庭の話は、文学の話につながり、人生論につながり、また庭の話に戻ってくる、その話題の転換は実に巧みだ。これはこれで一つの優れたエッセイのスタイルなのだと思う。

独りで静かに一点を凝視することによって、いつしか全体が見えてくる。全体を見ようと焦ってきょろきょろすると一点を見ることさえ叶わない。おのれの庭を全世界として意識を集中し、じっくりと観察し、根気よく手を加えてゆくことによって、数百回に及ぶ世界旅行や、数万冊の本の読破や、数十万人との対話でも得られない知恵と真理とにめぐり会えるのだ。