『発達障害の子どもたち』

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)

発達障害の子どもたち (講談社現代新書)

ADHDアスペルガー、…
様々な発達障害を抱える子供たちとどう付き合うか、どうしたら学習効果が上がるのか。僕たち教師にとって、避けて通れない切実な問題です。
著者は、最新の知見と臨床の現場での具体例に基づきながら種々の発達障害の特徴を示し、それらの互いの相違点を具体的に明らかにしつつ、彼らの心と行動をどう理解するべきかをわかりやすく説いてくれます。一口に発達障害といっても、どういった点に発達上の弱点があるのかによって対応の仕方は違うわけですから、この本で自分の曖昧な知識を正しておくことができたのは、とても有意義だったと思っています。
また、発達の遅れを抱えた子供にとって、通常学級か、通常学校の特別支援クラスか、特別支援学校か、という選択は非常に重要な問題ですが、この点についての著者の見解も、親や教師にとって有益なものだと思います。

子どもを相手にする職業で、(   )に出会わないことなどないのである。相手の生きる世界を知らずに、その子どもに職業人として接するのは、専門家として失格である。

上の(   )の中にはもともと「自閉症児」という言葉があったのですが、これを「ADHD」や「アスペルガー」に入れ替えて読むことも可能でしょう。