焚火を育てる

虚子の句を通読してみようと思い、句集「五百句」「五百五十句」「六百句」を収めた『虚子五句集(上)』岩波文庫)を読みました。

虚子五句集 (上) (岩波文庫)

虚子五句集 (上) (岩波文庫)

僕は、句集を読んでいて気に入った俳句を見つけたときは、その句の上に鉛筆で○印を付けることにしています。ここに今回丸印の付いた句を挙げてみようと思うのですが、「遠山に…」「桐一葉…」など、虚子を語るとき誰もが取り上げるような句を今更ここに抜き出しても面白くないですし、数が多くなりすぎますから、次の公式(?)を使って数を絞った上で、僕のお気に入りとして披露することとします。



公式
今回『虚子五句集(上)』を読んで発見した「お気に入り」の句
=通読した際に○をつけた俳句−(山本健吉『現代俳句』所収の句+平井照敏編『現代の俳句』所収の句)−今あらためて読んでみるとそれほどでもないと思う句


先生が瓜盗人でおはせしか
うき巣見て事足りぬれば漕ぎかへる
我を指す人の扇をにくみけり
紅梅の紅の通へる幹ならん
熱帯の海は日を呑み終りたる
畦を塗る鍬の光をかへしつゝ
焚火かなし消えんとすれば育てられ
春眠の一句はぐくみつゝありぬ
土の香は遠くの草を刈つてをり
白酒の紐の如くにつがれけり

中には以前どこかでお目にかかったような気がする句もありますが、あくまでも「公式」に従う方針で選んでみました。
どの句も俳句という詩形式の魅力と可能性を再認識させてくれる句だと思って読んだのですが、皆さんにとってはいかがでしょうか?


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