春と夏の境に

天気も上々で若葉のまぶしいこの連休、みなさんはどうお過ごしですか。
人と車のひしめく観光地には行かず、手近なところで楽しむというのが毎年の我が家の連休の過ごし方です。それに伸びすぎた植木の刈り込みや、夏野菜の苗の植え付けもしないといけないし(ベランダのプランター菜園ですけどね)。朝顔や向日葵の種を蒔いたり、虫のつき始めたバラに殺虫剤をかけたり、そんなことをしているとあっという間に一日は終わってしまいます。


蒔くところありて朝顔蒔いて置く  鈴木花蓑
なんのやらわからぬ種も蒔きにけり  後藤兼志






動くもの皆緑なり風わたる  五百木瓢亭
書庫暗し若葉の窓のまぶしさに  しずの女



昨年種を蒔いておいたそら豆も、花が終わったと思ったらぐんぐん実が大きくなって、そろそろ収穫の時期のようです。



そら豆の花の黒き目数知れず  中村草田男
そら豆はまことに青き味したり  細見綾子



「花種蒔く」「豆の花」は春の季語、「若葉」「緑」「そら豆」は夏の季語、この季節は春と夏が同居しているという感じで、俳句を作ろうとすると、歳時記の春のページを開いたり夏のページを開いたり、ということになってしまいます。