先日京都に行って以来、本屋に入ってもつい京都関係の本に目が行ってしまいます。
『やっぱり京都人だけが知っている』(入江敦彦著)という本に、「ラーメン〜こってり進化論」という章があるのを見つけて、さっそく買って読んでみました。
- 作者: 入江敦彦
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2002/04
- メディア: 新書
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
僕が入ったのは、ガイドブックによると人気店のひとつであるという京都駅近くの「新福菜館」。
ご覧のとおり、いかにも濃厚な味を想像させる黒々としたスープは、京都という街のイメージとはかけ離れています。『やっぱり京都人だけが知っている』にも「京都人という人種の認識を根本的に疑ってしまいそうになる黒いスープの『新福菜館』」という記載がありますが、関西の人間には東京の蕎麦の汁はドロドロと濃すぎて食べられない、というわりに、このようにラーメンの汁が濃いのは面白い現象です。「京都は関西で唯一のラーメン文化圏の都市」ということなので、味覚に関しては関西の中でも独自の志向性を持っているということなのかもしれません。また、「一人あたりの肉の消費量も全国一」という京都らしく、チャーシューの量も多めです。
「コッテリ濃厚」であるか、「ボリューム・アップ」かのいづれかによって、京都の日常の食はその文化を生み続けるエネルギーとなり得ているという著者の考察がどこまで当たっているかはわかりませんが、面白い考え方だとは思います。
さてこのラーメン、実際食べてみると、油分が少ないのか、意外とさっぱりした味に感じました。それだけ普段からこってり味のラーメンに慣れっこになってしまっているということかも知れませんが…