先週の釘ん句会には、「はるもにあ」所属で、3年ほど前に句集『風を孕め』を上梓された山口蜜柑さんが特別参加してくださいました。その山口さんにいただいた「十周年記念、はるもにあ合同句集」を読むのがこの一週間の通勤電車の中の楽しみでした。お気に入り十句選。
折りたたみ折りたたみ盛るところてん 市吉久美子
浅草や空豆乾くまで笑ふ 緒方博一
恥じらひて着て大胆に脱ぐ水着 小春日ゆり
噴水の上がり始めの重たげに 鈴木かこ
熱風よ地球をひと巡りしたか 玉田憲子
坐らせて運動会を鎮めけり 牧タカシ
俎板へぺたりと海鼠打ちつける 松山ひろし
拍手する手袋の音紙の音 松山悠介
退屈な上着脱ぎけり青嵐 山口蜜柑
あちこちを引つぱつて稲架とかれゆく 山崎杏