前橋は萩原朔太郎の生地。
電車を降りるとすぐに上毛かるたが出迎えてくれる。早くも文学散歩気分。
駅を出て、欅並木をずんずん進むと、広瀬川にぶつかる。
広瀬川に沿って整備されている「広瀬川詩(うた)の道」には、詩碑が点在する。
廣瀬川白く流れたり
時さればみな幻想は消えゆかん。
われの
過去の日川邊に糸をたれしが
ああかの幸福は遠きにすぎさり
ちひさき魚は
谷川俊太郎、吉原幸子、辻征夫、清水徹男……皆、萩原朔太郎賞を受賞した作品。
目的地の一つだった近代文学館はなんと休館日。
「残念だったね、またおいで。」と朔太郎。「じゃあ、今日は下見ということで、また来ますよ。今度は仲間を連れて。」朔太郎と別れて、次の目的地へ向かう。
大きな橋で利根川を渡ったところに山村暮鳥の詩碑がある。持っていた地図が不正確で、一時間近く探し回ってしまった。山村暮鳥と言えば、「おうい 雲よ」が有名だが、刻んであるのは次の詩。
淙々として
天の川がながれてゐる
すっかり秋だ
とほく
とほく
豆粒のやうな
ふるさとだのう (詩集『雲』より)