僕が線を消して処分する本①

 本を処分しないと、置き場所がいよいよなくなってきた。
 本の処分は大変だ。まず、どの本を処分し、どの本を取っておくべきか、判断が難しい。散々迷ったあげく、古本屋に出すを決断して段ボール箱に入れた本を、思い直してまた本棚に戻してしまうことも多い。だから時間ばかりかかって、なかなかはかどらない。
 処分すると決めた本は、中身をチェックして、鉛筆で線を引いてある部分が見付かると、そこを読んでから、消しゴムで消す。僕は本に線を引いたり書き込んだりするときは、必ず鉛筆。古本屋に引き取ってもらえないと困るということもあるが、本にペンで線を引くことには抵抗があるのだ。(以前は手作りの蔵書印を押していたこともあったが、それも今はやらない。蔵書印のある本は引き取らないとはっきり言っている古本屋もある。)
 そんなわけで、本の処分には時間がかかる。

 今日は、河合隼雄の『カウンセリングを語る』の上下二巻を処分すると決め、線を消す作業をした。僕は一時期、ずいぶんカウンセリング関係の本を読んだ。今でも興味はあるのだが、もうこの先この本を読むことはないだろう。
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 線は、こんなところに引いてあった。 

 この中に学校の先生がおられましたら、自分のクラスの中に必ずあなた方が限界に挑戦して、前よりも少しよい先生になるために送り込まれてきた生徒がいることに気づかれるはずです。ところがだいたいはそうは思わなくて、なんでああいう問題児が私のクラスにいるのかと思って、いやになってそれを排除してしまうことが多いわけですが、実はそうではなくて、その問題児と言われている子供と格闘することによって、われわれが成長していくわけです。