近代美術館のさきがけ

日本近代洋画と神奈川県立近代美術館』は、今から36年も前に発行された本で、当時はまだ鎌倉の別館が建設予定という段階。鎌倉の本館が既に閉館となってしまった今では、本書のガイドブックとしての役割は終わっているのだが、日本の先駆的な近代美術館の一つとして果たしてきた役割について知ることは、展覧会をより深く楽しむことにつながる。

この美術館を代表する「この一点」として、萬鉄五郎の「日傘の裸婦」をあげ、その作品を解説するとともに、萬鉄五郎の足跡をたどる前半部分は、萬鉄五郎ファンとしての僕にとっては特に興味深かった。

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日本近代洋画と神奈川県立近代美術館 (1983年) (朝日・美術館風土記シリーズ〈6〉)