骨太な句

大氷柱

大氷柱

「街」同人の梅元あき子さんから句集『大氷柱』(金雀枝舎発行)を送っていただいた。

測量の太杭芒に捻り込む
大氷柱トレーニングメニュー渡さるる
大根を抜くや海面盛り上がる
殻付きの牡蠣筵ごと渡さるる
雪解風バケツで届く馬肉塊
擂鉢を膝に挟みて木の芽和へ
種芋を歩幅に落す空真青
干草を裏返す時胴のびて
蕎麦刈の父が括れば太き束
晩秋や母は漬物鉈で切る
馬市の梁に大きな扇風機
海胆突いて初めての銭貰ひけり

これらの句を読むと、北海道の豊かな自然を相手にした作者とその家族の暮らしぶりが目に浮かぶようだ。また、そんな生活の中で育まれた作者の人柄も浮かんでくる。「浮寝鳥励まし合ふこと嫌ひなり」「ホットワインすぐに謝る男かな」という句からは作者の気丈さが想像されるが、句そのものも骨太なものが多く、そこがこの句集の魅力だと思う。俳句というのは小細工を弄さなくても、直球で堂々と勝負ができるのだということを教えられる。今井主宰の「序」の中の「これ以上巧くならないように」という一節に深く頷いてしまう。
次のような句にも面白さを感じた。

新体操リボンで括る夏の雲
虫籠から出てくる到着ロビーかな
スカイツリーの青は鯨の吐息なり